「Regulus」のぐだぐだライオン
オズのサントラのついでに買っていたカラミアのキャラクターソング。
よくよく聴いて思うところがあったので、今回はその考察です。
ものすごく深読み解釈しています。
なおドラマパートはやっぱこの3人の掛け合いは……最高やな! という感想。
COMBIは途中で、おっ下ネタか? と思ったんですがこちらの心が汚れてるだけでした。たぶん。
OZMAFIA!! Character Song Vol.1 CARAMIA
- 出版社/メーカー: Poni-Pachet SY
- 発売日: 2013/11/02
- メディア: CD
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全体を通しての印象
フーカちゃんへ向ける己の感情に戸惑う気持ちを、切なく、力強く歌い上げているんだなぁ……。
作中でも自覚があったり思い知らされていたようにフーカちゃんへの態度は「保護者」であって、恋愛感情を抱くということに若干の違和感はあった。
けれどやっぱりフーカちゃんのことが大事という気持ちは日々の中で強くなっていくし、この気持ちに間違いなどない。
――というようなことかと思っていたらそうじゃなかった。
歌詞の個人的な解釈をしてみたら、色あせて顔も名前も思い出せない過去の存在のドロシーと色鮮やかに今を生きるフーカちゃん、この2人を重ねすぎて自分の心に戸惑いを見せるぐだぐだライオンの歌でした(途中までは)
ドロシーとフーカ
歌詞中でドロシーとフーカを比較というか、対比させているというか、フーカ自身にドロシーの面影を重ねているようなところがあって、それがぐだぐだライオンだな~と。
例えば、「彩られ熱帯びた君の眼差し」と「色あせて朽ちかけた星の眼差し」では前者はフーカを示して、後者はドロシーのことを示していて。
彩られ熱帯びた、というのはドロシーの理想かつ夢がフーカという存在なので、これから先の夢を虹色で極彩色に彩り描いてゆけるということ。
色あせて朽ちかけた、というのはこれから先ドロシー自身のみではかつて旅の後に思い描いた未来を描くことはできず、灰色で無色な過去しかないということ。
カラミアは前者では未来を掴もうとしていて、後者では過去を胸に宿して前を向いていくというような続き方をしていて、最終的にカラミアの中で2人はまるきりではないが別者だと感じているようですね。
他にカラミアが2人は別者だという感情を抱く前に面影を重ねているな、なんとなくフーカの中にドロシーの存在を感じ取っているんだなと思うところで言えば、この庭の先にその誰かがいるんじゃないか、もしかしたらハッキリするんじゃないかと思ったらその先にフーカがいたところ。
そしていま隣にいるのはフーカなのにその先にある影法師に傾いていく太陽が重なって、あれは自分の中から記憶が消えてしまった誰かみたいだ、というところも。
後者については深読みのし過ぎにもほどがある域に達していますが。
カラミアにとってのフーカ
「共に歩く小径に芽吹く小さな花」をフーカと共に歩む中で自分の中に芽生えた小さな感情とすると、「愛と呼ぶには幼すぎて」としていることから、その感情を愛だと断言できるほど長くは一緒に過ごせていない。
カラミアは立場上惚れた腫れたを避けていたはずですし、簡単に誰かを恋人にすることもない。それにフーカを見る目は保護者でしたから。
それにドロシーとフーカを重ねてしまうからこれは本当に愛なのか? それとも胸の内に住む誰かの存在を追っているだけなのか? という葛藤がありそう。
ここもぐだぐだライオンポイント。
カラミアにとってのドロシー
まず「夢描いて駆けてゆく後ろ姿(ドロシー)を 指でなぞりこの胸に秘め」というところで、かつて共に夢を描いていた誰かが胸の中に残っているのだという確信があり、そして仕舞いこもうとしている。
(解釈は異なりますが、その上でフーカから感じるドロシーの面影を掴もうとした、というそっちの考えかたもできそう)
「ひとりきりの世界に落ちた虹(ドロシー) 過去と呼ぶには大きすぎて」というところで、カラミアにとってはそういう存在だと自分の中で区切りをつけている。
だから「夢抱いて追いかけた明日の幻」で旅の後、きっと思い描いていた未来でドロシーと共に描けていたはずの夢の先は「指の間をこぼれ落ち溶け」てしまいもうないものだと、夢は夢でしかなかったのだと理解をしている、というのが結論。
ざっくりいうとドロシーは色あせた大きすぎる過去で、その名前も姿も思い出せないけれど胸に残り続ける大切だったはずの人、というところ。
過去への決別
名も知らぬ誰か(ドロシー)の眼差しを受けてカラミアは臆病ライオンには戻らないぞ、と過去に決別をつける。
同時に「こんなにも募る想いをかきあつめ銃弾に込め」て「大空へ暗き闇へ全てを解き放つすべてを護るために」と。
その誰かへの想いをかき集めて、これから描く未来にかかる闇を払うため、そしてかつてみんなと共に描いてきた夢を護るために銃弾を解き放つ。
これはサヨナラ貫く愛の銃弾、にかかっている感じ。過去への思慕に別れを告げるのだと。
ボスであるため余計な迷いは捨てて未来を見据えていかなければ、というところもあるかもしれない。
フーカと共に歩いていく
カラミアの祈りは臆病なライオンにならず勇猛なボスでありたい、ということ。
そして「きらきらと降りそそぐ星空雫」、つまり色あせて朽ちかけた星であるドロシーからこぼれ落ちてくる夢を描くために輝く魔法で、どうかフーカを導いてほしいということ。
俺とフーカが描く未来が色鮮やかであるように、曇ってしまわぬようにかつての旅で得た勇気をもって色鮮やかな朝を迎えよう、というのが締めの部分。
誰かの面影を探すのではなく、過去にとらわれず、今この時を隣で歩くフーカと共に色鮮やかな未来を描いていく、という決意。
ここではまだフーカへの想いを愛だとは断言できないけれど、そういった未来を描くこともできる、という可能性を感じさせますね。
結局何が言いたいのか
歌詞の流れを表すと、
フーカにドロシーの面影を感じた⇒フーカに抱くこの感情を愛とは断言できない⇒引っ掛かり続けるドロシーの存在を胸に秘めて、色鮮やかなフーカとの未来を掴もう
やっぱりフーカとドロシーを重ねてしまう⇒ドロシーのことは忘れてしまったがその存在が大きすぎる⇒けれどドロシーと共に描こうとした夢の先はもうなくて、それならかつての旅で得た勇気をもって先へ進もうという過去への決別
勇猛なライオンになれるよう祈る⇒ドロシーへの思慕を銃弾に込めてこれからの未来のためにサヨナラを貫く⇒輝く魔法よフーカを導いてくれ、俺はフーカと共に描く色鮮やかな夢の先のために勇気を胸に明日への不安を払おう
というところ。個人的にですが。
で、ここまでのことをざっくり表すなら、
君の名前も顔も思い出せない! 君との遠すぎる思い出は色あせてしまった! だけど君と共に描いてきたこの夢の痕を護るために俺は旅で得た勇気を胸に抱いて、彼女と共に描くこれからの色鮮やかな夢の先を描いていこう! 君はどうか彼女を導いておくれ!
みたいな感じですね。
カラミアは上手く過去に別れを告げられて、だけど胸の中に生き続ける誰かを見捨てるわけでもなく、これからも俺たちを見守っていてくれ、という共に未来を描いていく前向きな姿勢なんだなぁ……。
きっとドロシーにとって、それはソウが自分を気遣っての行いだったとはいえカラミアとアクセルに忘れられてしまったことは悲しすぎる現実なので、はっきりと覚えていなくても胸の中に住む自分も共に夢の先を描ける、という幸福に近い何かにはなれるはず。
フーカはドロシーと重ねられずに自分自身を見てもらえる。
カラミアは前を見て歩いて行ける。
ドロシーはカラミアに忘れられずにいられる。
みんなハッピーですね。たぶん。
最後に
キャラソンというのだから作中でも恋人になれているしフーカのことを歌い上げてるかと思ったら、そもそも恋人設定でもないし主人公ではない別の女のことについて悩んでましたね。これは意外。
思わぬところでカラミアが抱えるドロシーへの感情を端だけでも理解できたような、そうでもないような。
いくら語っても個人的な解釈でしかないのでここは難しい。
とにかく、フーカと共に描く色鮮やかな夢の先も、ドロシーたちと共に描いてきた夢の痕もどちらも護っていくよ、と宣言されたところが本当にエモ……となる。
そして、俺の爪も牙も勇気も何かを護るためにあるんだ、というボスの格好よさ。
ぐだぐだライオンはしてしまったけれどフーカへの想いを確かにしよう、という最終的な男らしさ。
カラミアがどういうキャラなのか、という魅力が凝縮された良いキャラソンでした。
歌詞について考えることは本当に楽しかったです。ありがとう。
おわり