キャンプ地

ゲームについて好きなように語る場所。ネタバレ配慮なし。

OZMAFIAについていろいろと(4)

OZMAFIA備忘録。

各キャラへの感想その③

今回も初見時やフルコンプ後の各キャラクターへの感想と、各々のルートについて思うことを少し語ったりするのがテーマ。

一応続きものなので興味がある方は前回、前々回の記事もどうぞ。

固有の立ち絵があるキャラについて、3回に分けてちまちまと感想を並べました。今回で終わりです。

また、私の好みもいろいろありますし、私自身の好みでないキャラや要素に対しては手厳しいコメントもあります

それで気分を害された方にはすみません。

最後はオスカー・ワイルド、ハイジ、加えてフーカとドロシーについて。

以下よろしくどうぞ。

 

ドリアン・グレイ

声優が本当にすごい、というこの一言。

娼館ルートクリア後に声が耳に入るたびに背筋が寒くなる。

何も考えていないのかもしれないけれど、その一言一言に何かを謀っているのではないかと疑ってしまう。

エピローグにおいて自発的に死を選ぶような人だとは思えなかっただけに「ドリアン・グレイの肖像」を読まないと分からないような点がありそう。

 

アルファーニ

彼は春を売って人々に幸福を与える幸福な王子というところでしょうか。

心が温かくとも身は寒々しくなっていく出典の王子とは違いこちらの王子は身も心も温かいようですが。

生き残って幸せになってね、という台詞が他者の幸福のためにある王子の姿という感じはしました。

私はフーカちゃんのモンペなので彼にはいろいろと複雑な感情しかないです。

 

マンボイ

キリエとは違いまっすぐに、あ~~~好きとなる男性キャラ。

白髪に褐色肌の要素がいいので大きな声で顔が推せる。

物腰柔らか執事風なのに一人称がオレなのがいい。

幸福な王子を先日読んだばかりでその中のツバメの在り方への理解は浅く、マンボイはツバメと言われてもどこか納得できない部分はあります。

出典の元キャラそのままのキャラクターの方が圧倒的に少ないですが。

ここに来てほしくはないのに、それでもこの手が届く場所へいてほしい。

けれどこの手が汚れすぎているために貴女を汚してしまうから、やはりどこか遠くで幸せに笑っていてほしい。

そんな己の感情に悩み苦しむマンボイの姿がよかった。

街の中でさえフーカと2人幸せになることはできませんでしたが、壊れてしまったとはいえ愛しのフーカの傍で生き続けられるのならそれは充分に幸せなことでしょう。

 

ハイジファミリー

ヘイディのようなキャラクターがいてくれるとコメディーの層が厚くなって物語が盛り上がるゆえに、ヘイディのようなキャラクターは好きです。

キリエルートで「あの子口ポカーンとしながら蝶を見つめてたと思ったら、猫みたいにとっ捕まえようとしてたわよ」というようなことを言っていたシーンが面白い。

あとはパシェと会話をしているシーンも。

女子会を開いたとして成り立つようなキャラクターが少ないのでそういうシーンがあると無条件にポイントが高くついてしまう。

エピローグにおいては抗争と殺害の描写が本格的になったことでヘイディとペーターの死には……マジで……? となりました。CEROが性的表現以外で初めて仕事した。

グランドフィナーレに繋がることでそれはなかったことになったので生きていてくれて本当によかった。

そういえば、ペーターは世話役としての名前であってあの黒髪のお姉さん自身の名前ではないんですよね。

フーカちゃんがペーター候補か…………ないなぁ~。

 

フーカ

いわゆる天然ゆるふわ無鉄砲な典型的(?)乙女ゲームヒロイン。

読み物ゲームなので制御がきかずに、なんでそんな行動をとるの? と本当に意味不明なところも多かった。

それでもなんとかなっていたのはカラミアの器の大きさ並びにキリエの対処のおかげだったので、フーカちゃんは2人に誠心誠意謝った方がいいんじゃないかなと思う。

ただ、はちゃめちゃに顔が可愛いので私はそれで全て許してしまうところがありました。

ゆえにフーカちゃんのことは好きです。

時折見せる心無いドライな対応(ハーメルンのもとへ数日間会いに行かないところとか)は、基となるドロシー自身が幼い子どもゆえにありがちな突然の無関心の現れという感じがして面白い。

フーカちゃんがドロシーの理想の姿というのは外見は理解できますが、内面も本当にそうなの? という疑問は残る。

 

ドロシー

ある少女の夢がつめられたこの街は孤独な幼き魔女の箱庭でした――。

こういう、実際に今も存在する誰かの箱庭で繰り広げられる物語というだけでわくわくするところがあります。

ひとりぼっちは怖くないの? というようなことをキリエに問いかけていましたが、本当に独りきりの世界が怖いのはドロシーの方でしょう、と。

その独りきりの世界から、ハッピーエンドを紡ぎ続ける理想の自分の姿を見つめ続けるのだから。

「物語はハッピーエンドで終わらなくちゃ」という台詞が重く響いてくる。

そのハッピーエンドを迎えるにもドロシーの箱庭劇場に幕は下りないし、手を離れてしまった可愛い人形たちの劇を塔の上から見守るだけの日々にも幕は下りない。

夢の中でならひとりぼっちじゃないの、あの子の幸せは私の幸せ、だなんて口では言ってもそういう綺麗ごとで納得できるほど1度痛い目を見ただけのドロシーの精神は大人でないと思うので、孤独の寂しさに埋もれた日々が待っているだけなんでしょうね。

また会う日まで、なんて綺麗な嘘を吐けた彼女の頭を撫でてあげたい。

真相を知ったことで私自身の心は抉れたので、キリエ同様にいろいろと思うところはあるけれどなんだかんだ好き……というキャラです。

 

 

毎回感想や考察のたびにレポートみたいな長さになるので、すべて読んでくださった方がいたらここまで本当にお疲れさまでした。

真相に深く関わってくるキャラクターにはいろいろと思うところはあって、それでも語ろうとしても言葉が出てこない状態です。

 

おわり